【青褐と藤の空】







アクラル歴も1060年に入り、人々もたちこめる暗雲にちらほらと気付き始めた頃。
ミラノ騎士団は主戦力だったヴィトル兄弟、レルミ等が退団し、戦力入れ替えの時期を迎えていた。

既にヴィトル家長男、メリーアンの息子ウィラン、それに巫女のイルチャが入団しており、入れ替わりにマーリンが退団している。
今回1060年に入団するのは、同じくヴィトル家・メリーアンの娘ティアルと、イルヴァハの息子ウェルだ。



冬も深まる王都ヴァレイ。もうすぐ祝福の日がやってくる。
ティアルとウェルはミラノ騎士団が遠征から帰ってくるのを本部で待っていた。







「ウェルー」



吐く息が白くなって、空気に溶ける。
朝の透き通った空気に、溶けた息と弓のしなる音が響いていた。
ティアルのブーツの下で、さくさくと音がなるのは霜のせい。
またビィンと音がして、矢が唸りをあげて的へ飛んでいく。

トン、と軽い音。辛うじて留まっていた枯葉が一枚地に落ちる。

矢が的の真ん中を捉えたのを確かめると、ウェルは構えた弓を下ろしてティアルの方に顔を向けた。




「あと一週間もしないうちに帰ってくるって。
祝福の日、本部で迎えられそうだね、団長さん達。」

「・・そうか」

「あら、嬉しくない?」

「・・・別に」



ウェルはティアルから目を背けると、矢筒から矢を取り出して、また弓を構える。




「嘘つきねぇ、ウェル。やっと私達も遠征について行けるのよ?
ウェルは騎士団に入るの、嫌?」

「嫌じゃない・・。だからこうやって、」

「そうね。訓練してるのよね。」

「・・・・」



朝の透き通った空気は、弓が唸る音を鮮明にさせる。
ティアルは切り株に腰掛けると、ウェルをじっと見た。
ほんの少し前までは背だってそんなに変わらなかったのに、今は見上げないと視線が交わらない。

彼の使う大弓だって、もう自分にはひけない。
年を重ねるごとに少しずつ変わってしまうのは、なんだか歯がゆいと思う。
ティアルはそっとボウガンを握った。


すっくと切り株から立ち上がると、ウェルの後ろ、15歩ほど離れた場所に立つ。
ティアルはボウガンを構えた。




「ウェル、ちょっとどいて」

「・・・・・・。」




無言で体をずらすウェル。
ヒュッと音をたてて飛んだボウガンは、ウェルの髪を少し揺らして的に突き刺さった。
既に刺さっていた弓を弾いて、真ん中に突き刺さっている。

的は、ボウガンが刺さった場所からひび割れていた。
ウェルがムッと顔を顰めて振り返る。
ティアルはボウガンを構えたままできょとんとウェルを見る。どうやら気付いていないらしかった。

ティアルの使うボウガンと、ウェルの使う大弓。
どちらが威力があるかと言えば、やはりボウガンだ。ボウガンは弓に比べて飛距離が長い。
距離が長くなるほど、弓との威力の差は開いていく。
弓から放つ矢では割れない的も、ボウガンでは割れてしまう事もしばしばある。
それが彼女の放つ矢ならなおさらだ。

それでもウェルは男だから、女であるティアルの使うボウガンにひけをとる事はしたくないと思っていた。


ティアルは天性の弓の才能を持っている。


驚くほど遠くを見通す目と、威力はなくとも寸分違わず的を射抜く正確さと。
弓使いに必要な色んな要素を彼女は持っているのだ。
自分には無いそれは、確実にウェルのコンプレックスになる。
けれどティアルはそんな自分の才能をひけらかしたりしないし、それに溺れる事もない。
彼女のことだから、自分の才能にすら気付いていないんじゃなかろうか。

彼女は本当に真っ直ぐなんだと、そう思うのだ。





「・・・相変わらず、いい腕だな。」

「フフ、ありがと。」

「でも、的を割るのはやめてくれないか。」

「あ、ごめん!!あの的、弓だけだったんだ・・・。・・わ、割れちゃったね・・」



慌てて走りよってきて謝るティアル。
申し訳なさそうにウェルを見て、困ったように笑うのを見ていると、怒る気がなくなってしまう。



「・・別にいい。」

「あ、そう?ホントごめんね!今度何か奢ってあげる!」

「・・・・じゃあ山賊亭のシチュー。」

「ちょっ、無理に決まってるでしょ!!」

「・・奢ってくれるんだろ?」

「限度があるわよ!」




エルヴェや義兄弟のエルクメット兄弟が聞いていたら、多分驚くだろう。
ウェルが自分からこんなに饒舌になったり、あまつさえ相手をからかうような事を言うなんて。

多分、ティアルとその弟のルーアンだけだ。今のところは。



ウェルは的に突き刺さった矢を引き抜いて矢筒に戻すと、さっさと先に行ってしまった。
ティアルは安請け合いしてしまったのを後悔してか、うんうんと庭先で唸ったままだ。

王都・・いや、アクラル大陸一の料亭、山賊亭のシチューはその中でも一番人気の一品。
店には連日人が並んでいて、何より・・お値段が結構するのだ。



「山賊亭のシチュー・・・!!やだ、私だって食べたい!!」








誰もいない朝の庭先、ティアルの悲痛な声だけがこだましていた。


















-----------------


















「で?ティアルは結局奢ったのか?」

「・・・・・・約束だもん。」

「ふ、はははっ、・・・馬鹿だなぁ」

「もう、笑い事じゃないのよっ、兄さんたら!!ルーアンもついて来ちゃって大変だったんだから・・」




庭先の事件から一週間。丁度、祝福の日の朝だ。
遠征に出ていた騎士団が帰って来た。

レルミは道中で別れた、つまりもう退団したらしく、その姿は無かった。
心なしかセリウスの表情が浮かないのは、そのせいなのだろうか。


一度目の遠征から帰って来たティアルの兄、ウィラン。そして巫女のイルチャ。
二人とも目に見えて痩せて、体が引き締まっているのに驚いた。元々長かったウィランの髪は無造作に後ろで纏めてある。
イルチャの淡い茶色の髪は、日に焼けてパサパサとしていた。服も荷物もボロボロでどこか埃っぽい。
なんだかそれが妙にリアルな感じで、これから自分もその遠征について行くのだと想像して、少し不安になった。

今回の遠征にはティアルの父であるメリーアンも加わっていた。
最後の遠征だ。
兄のウィランは父との遠征で何を学んだんだろう。羨ましい。

ティアルも出来る事ならば、父と共に遠征をしたいと思っていた。
けれど父であるメリーアンは、ティアルの入団を見届けてから退団するという約束だったから、今回の遠征が
最後の遠征になった。




遠征から帰って来た団員達、留守を守る団員、どちらともバタバタとせわしなく本部を動き回っている。
洗濯、城への帰還報告、騎士団帰還を聞きつけ酒場に集まってきた職種達の選別。
やる事はたくさんあるのだ。

ティアルとウィランは、とりあえず大量の洗濯物を洗っていた。




「あ・・それ、父さんの。」

「ん?ああ、譲ってもらった。」

「えー、いいなぁ・・。」

「ティアルも言ってみたらいい。何か貰えるよ、お守りに。」

「・・うん、言ってみる。」



ふと視線を向けた先にあった法螺貝は父のメリーアンのものだ。
自分の子が戦いの場へ赴く時、大抵の親達は子に自らが使っていたものを譲る。
ウィランも例に漏れず、愛用していた法螺貝を譲られたようだった。



「やっぱり、遠征は辛い?魔物は強かった?」

「そうだなぁ・・。うん、初めはやっぱり足が辛かったよ。一日中歩くから。
魔物もやっぱり、辺境に行く程強かったなぁ。でもそれ以上に団長も父さんも凄く強かった。」

「そっか・・。私、やってけるかなぁ」

「大丈夫だよ、きっと。ティアルは強いからね。」

「そうかなぁ・・・。」

「そうだよ。大丈夫。」

「・・うん、頑張るっ。
よしっ、洗濯終わり!!父さんの所行こうよ、兄さんっ」

「ああ、行こうか。」





洗った洗濯物がいっぱい詰まった篭を抱えて、二人はゆっくり歩き出した。












その頃、ウェルは自室で弓の手入れをしていた。
弓を握る場所に布を巻き直し、乾拭きで丁寧に磨く。
矢は、矢じりがしっかり固定されているか確認して、こちらも汚れを落す。

黙々とその作業を繰り返していると、ふとドアの向こうに気配を感じた。




「誰だ。」

「・・・・・・」

「・・・何か用か。」

「・・・・・・ウェル」

「・・・・・」



キィ、と遠慮がちにドアを開いたのは、ティアルの弟でもあるヴィトル家の次男、ルーアンだった。
普段は馬鹿のように騒がしいのに何故か今はしゅんとしている。
ウェルは怪訝に思って、腰掛けていたベッドに弓を置いた。



「・・・どうした。」

「・・・・・・・・。」

「・・・黙っていたら、分からない。」



ルーアンは俯いたまま、ウェルの側までやってきた。
どうすればいいものか。
何を落ち込んでいる?何か悲しい事でもあったか。誰かに何かを言われたのか。
色んな事が浮かぶけれど、何を言えばいいのかが分からない。ウェルは少し困って、眉を寄せた。

暫く俯いたルーアンのつむじを見つめていると、ふとルーアンが顔をあげる。



「・・ルーアン?」

「オイラも、ウェル達と行きたいっ・・」

「・・?」

「行きたい。」

「・・・・。・・遠征、か?」


ブンブンと首を縦にふるルーアン。
ウェルは溜息をついた。



「・・駄目だ。お前はまだ13だろう。」

「嫌だっ。二年も待ってるなんて嫌だ!!」

「・・・・まだ無理だ。待ってろ。」

「・・・いやだっ」

「ルーアン。」

「うっ・・」

「我が儘を言うな。」

「だ、だって、兄ちゃんも、姉ちゃんも行くんでしょ?
オイラだけ、オイラだけここで待つなんて、やだ、絶対、嫌だ。」



ルーアンは涙声でウェルに向かって叫ぶ。
途切れ途切れの言葉はウェルを戸惑わせた。

ルーアンはずっと前から知っていた筈だ。
次の遠征から、自分とティアルが加わること。
それにルーアンは行けない事。

全部知っていた。
それが今になって、何故。
ああ、もしかして。






「・・・・・・我慢してたのか。」

「・・・・・・」

「・・・ルーアン、もしかして俺やティアルが帰って来なかったらとか、思っているか。」

「おっ・・思ってない!!!!!」

「・・・そうか。」





不安なのか。
それで、ウェルの所にきた。

今までは兄と姉がいた。
父の帰りをきょうだいで待った。
兄の帰りを姉と待った。

でも、次は一人で待たなければいけない。13歳の彼には、少し寂しい。

ルーアンの母、ヴァルミアはまだ帰らないという。
カンメルの船に乗り込み、もう魔物の退治はすんだはずなのに。


待つことはとても怖いことだ。
・・それはウェルにはわからない事なのだけれど。





「・・ルーアン。無理なものは、無理だ。」

「・・・・・・」

「・・・メリーアンさんも帰ってくると約束して、その約束を破った事はないだろう?」

「・・・うん」

「ヴァルミアさんも必ず帰る。・・俺も、ティアルも、必ず帰る。・・・信じられないか」

「・・・・・ううん。わかった。わかったよ、ウェル。」

「・・あと二年の辛抱だろう。・・それまでにもっと強くなっておけ。」

「わかった。オイラ頑張る。」

「ああ。・・・ほら、そろそろ夕飯だ。」

「うん、行く!」

















----------

















その日は夕方からとても冷え込んだ。
暖炉に火をくべても中々部屋が暖まらなくて、エルヴェは困ったように暖炉を見つめている。

久々に屋根のある場所で食事を取るだろう遠征帰りの団員達に、暖かい場所で食事をして欲しいと思うのだけれど・・


「困ったわね・・」


けれど、このままここにいてもしょうがない。人が入れば、もう少しは暖かくなるだろう。
エルヴェは暖炉をそのままにして台所に向かった。フェルリットとテルミンに任せっぱなしなのだ。


台所からはふわりといい匂いがしている。





「ごめんねー、三人とも。やっぱりまだ暖かくならないみたい。」

「ええっ、まだですか?」

「普段ほとんど使わない大部屋だから・・・。」

「うーん・・仕方ないわね。料理持って行ったら暖かくなるかしら?」

「ちょっとはね。」




大鍋をかき回しながら驚いた顔をするフェルリット。
どうにも、魔女に大鍋というオプションが似合いすぎて思わず笑みが零れそうだ。

久々に大人数の食事を作るので、台所は材料やら食器やらで溢れかえっている。
テルミンはざくざくと適当に材料を切り刻んで鍋に放り込むという荒業を実行中。
イルチャはそれを見て驚いていたようだが、これが騎士団流と納得してしまったようだった。

腹に入れば皆同じとはテルミンの持論だ。
そんなテルミンを見て少し苦笑いを零しながら、エルヴェもその中に加わった。




「味付けはどうするの?」

「そうね・・普通に塩でいいわよ。あ、オーロット茸でも入れてみる?」

「・・・・刺激的な味になるわよ。」

「いやだもう、冗談よ!」

「エルヴェさーん、こっちはどうするんですかー?」

「ああ、それはね・・。あ、イルチャ!それはこっち!」

「ご、ごめんなさい!」


台所をバタバタと往復していると、ふいに大部屋の方がざわざわと騒がしくなっているの気付いた。
どうやら皆、帰って来たらしい。



「おーい、パン買ってきたぞ!!」

「魚、安くしてもらったよー!」



魔騎士の次男と三男が机にドサドサと買ってきたらしいものを置いている。
後ろに続くように、ブラッドとメリーアンがいた。



「エルヴェさん、悪いな、まかせっきりで。」

「団長。」

「こっちの用意は俺達でするから、台所の料理頼むよ。」

「あ、大丈夫ですよ。もう殆んど出来あがりますから。」

「ん?そうなのか。じゃあそろそろ皆を呼んで来たほうが・・」

「あ、俺が行きます。」

「ああ、頼むよディルス。」




まずはテーブルを綺麗に拭いて。
パンを切って篭に入れ、テーブルの真ん中にその篭を二つ置く。

出来上がった料理は大皿に入れて適当に置いていく。

七尾のトカゲの料理は代々騎士団に継がれてきたレシピのメインメニューだ。
何の肉かは分からないが、丸焼きになって香草に囲まれたその肉がドンとテーブルに置かれた。
山菜のシチューがなみなみと煮えたぎっている大鍋は、そのまま大部屋まで運んでいく。

オムレツやらリゾットやらパテやらとメニューは普通なのだが、問題はその大きさと量だろうか。
馬鹿みたくでかいのだ。いくら何でもでか過ぎだ!と言いたい所だが、作ってもらった手前文句も言えない男性陣だった。
さっきディルスが買ってきた魚も、恐らく丸焼きになってテーブルに並ぶんだろうなとバルスは思った。
いや、別にまったく構わないのだが。


ゾロゾロと集まってきた団員達が各々テーブルにつく。
最後に団長と台所から出てきたエルヴェ達が席について、乾杯の音頭となった。





「さて、とりあえずは皆、遠征ご苦労様!!
それからメリーアンは今日で退団だな、今まで本当に有難う。皆もねぎらってやってくれ。」

「メリーアンさん・・お疲れ様でした。」

「お疲れ様でした!!」

「お疲れ様、メリーアン!」

「父さん、お疲れ様!」

「はっはは、なんか照れるねェ。こっちこそ有難うさァ。
騎士団に入ってホントよかったよ、団長さん!」

「・・ああ、有難う。
それから、次の遠征からはこの二人が一緒に来る。はい、二人とも挨拶な。」



ブラッドが促すと、ウェルとティアルが椅子を引いて立つ。



「あ、ヴァルキリーのティアル・ウェンガッタです。宜しくお願いします!!」

「・・・アーチャーの、ウェル・マルダンです。よろしく。」


「ティアルはメリーアンの娘だ、皆よく知ってるだろう。
ウェルは10年程前に退団した、イルヴァハとウェルメーネの息子だな。皆、宜しく頼むぞ。」


「オイラからも頼むよォ、うちのティアルはおっちょこちょいだからなァ」

「ちょ、ちょっと父さん!」

「・・・・確かにな」

「ウェル!!!」


「ははは、ではまぁ乾杯と行きましょうか、ブラッド殿。」

「そうだな。じゃあ皆、乾杯!!」



「「「乾杯っ!!!!」」」














その後、夕食と称した宴会は夜半すぎまで続き、無礼講だと酒を飲まされた一部の年少組は朝まで床に転がっていたとか。
・・・台所四人組の作った大量の料理が食べつくせたかは、謎である。


次の遠征に出発するのは、二週間後だ。





どうやらメリーアンは暫く本部でルーアンと妻であるヴァルミアの帰りを待つ事となったらしく、ルーアンは嬉しそうにしていた。
ウェルがそれを聞いてこっそりと安心していたのは、内緒らしい。

最後になった年長のテルミンは、少し皺の目立ってきた顔を笑みの形にしてメリーアンと談話している。
これからのこと。子供達のこと。
テルミンの子供達はまだ幼いから、少しの間だけでも一緒にいてやる事が出来る。
メリーアンは、羨ましいなぁと笑った。


ヨムライネン三兄弟は、これから自分達が主戦力になるのだと感じていた。
ヴィトル兄弟は退団し、レルミも去った。
次の戦闘からは、ずっと前線なのだろう。
長男のセリウスは何だかんだと言って、もう入団してから7年もたつのだ。

三人はこれからも力をあわせてやっていこうと、心に誓って頷きあった。


イルチャは、悩んでいた。
騎士団に入団するんだと、親の反対を押し切って、巫女だった師匠にだけ告げて、勇んで出て来た王都ヴァレイ。
本当に役に立てるのだろうか?今回の遠征もずっと足手まといだった。
どんどん激化するだろう魔物の戦いに、本当についていけるのだろうか?
悩む彼女に近づく小さな人影。

”何悩んでるの?話してみなさいな。”

イルチャは座り込んだまま、顔を上げた。







そしてウェルとティアルは。







「私達、きっといいコンビになれるわよね。」

「・・・・さぁな。」

「あら、心外ねー。」

「・・・ティアルは、才能があるからな。」

「でも体力はてんで無いのよね。ウェルが羨ましい。」

「・・・・・・。」

「足りないトコは補えばいいと思うの。ね、私達ナイスコンビよ!」

「・・俺に才能がないって、言いたいのか?」

「あっ、違う違う!もう、誤解だってばー!」







ガラス越しの月夜を見ながら、こんな会話。

1060年、祝福の日のお話。