【くれないしんげつ:後日談】













「なーぁ、金時よぅ。」

「・・・んだよ。」

「暇じゃー。遊びに行こうやよー」

「・・・おっまえ・・!怪我してる時ぐらい大人しくしてられねぇのかァァ!!」

「ぁだっ!痛いがやないかね、金時!」

「金時じゃねぇ!!!」





















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後日談その1






















その日はとても穏やかな日だった。

両国の事件からほぼ一週間。
坂本さんはなんとか歩けるまで回復したし、坂田さんの体調も元に戻った。

あの晩は本当にひどい騒ぎだった。
坂本さんなんて担ぎこまれたときには死人みたく青褪めてたし、坂田さんも酷い熱だったし・・。
桂さんも内心酷く動揺してたようで、高杉さんに喝を入れられてた。

『ボサッとしてんじゃねぇ!!』

って。
桂さんのあんな姿、初めて見たや。

あの時の高杉さんは、それはもう恐ろしかった。
帰り道、途中までは坂本さんも大丈夫そうだったけれど・・

帰ってくるなり坂本さんと坂田さんを桂さんに押し付けて、高杉さんは町まで走って行った。
・・・今思い出しても身震いするな、あの形相。
引っ張ってこられたお医者様も青褪めていたし。可哀想に。




ああでも。
坂本さんはわかるけど、坂田さんは何で熱なんか出したんだろうか?
お医者様も傷は大して酷くないって言ってたのに。




























「坂本、銀時。・・・何をしてる?」

「・・・ヅラかよ。ほら見ろ辰馬ァ。見つかっちまったじゃねぇかよぉ。」

「あちゃーー・・。しょうまっことヅラは間がわりぃのぉ!」

「誰がヅラだぁぁぁ!お前らそろいも揃って!
大体坂本!貴様はまだ安静にしていなければならんだろうが!」

「ほがな事ゆうたって、暇で暇で仕方がないんぜよ。」

「・・・・もういい。とにかく、その傷を治す事を最優先にしてくれ。
お前がいないと戦場の士気が下がる。」

「おぅ、まかいちょって!」

「・・・・本当にわかっているのか。」

「わかっちゅうよぉーー」



















全然わかってないなコイツ。













ここばっかりは、銀時も桂に同情したりした。














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後日談・その2








「銀時、おんし熱の方は、はや大たまかぇがか?」

「んー?ああ、とっくに。」

「そぉか。そんならええ。」

「・・・何。」

「別になんちゃーないきね。」



「・・・・なんでお前が俺を心配すんだよ。」



「・・・・。」

「逆だろ?だってよ、お前、俺のせいで・・」

「あーーー、そこ。そこじゃ。おんし、まだ自分のせいやと思っちゅうやお?」

「・・・・そりゃあ・・」

「コレは、わしが余所見してたせいでこうなったがやか。おんしが気に負う事はないんぜよ。」


「・・・んな事言ったってよ。」

「あーあー。おんしは不器用な奴ちやね。」

「どうせ不器用ですよコノヤロー。」

「アッハッハッ。どうでもえぇけど腹減ったわー。なんか奢れ金時。」

「お前いっぺん死んでみる?」

「アッハッハッハッ。」

































「・・・高杉さん。」

「あぁ?」

「坂本さんがまた倒れたそうですよ。」

「あぁっ!?」

「いや・・あの・・。坂田さんと喧嘩して傷が開いたそうで。」

「・・・・その二人、どこにいんだ。」

「一番奥の座敷ですよ。」

「よし。・・・トドメさしてきてやらァ。」

「たたた、高杉さん駄目ですよーーー!!!!」